2-C:会社運営編

『カルロス・ゴーン経営を語る』

《あしたのための読書:会社運営編》

★『カルロス・ゴーン経営を語る』 カルロス・ゴーン&フィリップ・リエス氏著

●今では、日本人経営者も<企業再建策>の常套手段として行っている”リストラ”

「リストラ=首切り」と思われがちで、その「代名詞は?」と尋ねれば、多くの人が”カルロス・ゴーン”氏の名を連想するであろう。

彼も、”ターンアラウンド・マネジャー”的側面を持って活躍するひとりである。

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●”リストラ”という言葉に対して、「首切り」と連想する人がほとんどである。

ゴーン氏においても、日産自動車のV字回復は、当時の彼が着手した1万人以上の社員削減と、5カ所の工場閉鎖が思い起こされる。

「ゴーン氏じゃなくても、”ニッサン”は復活できた」

巷でよく耳にする言葉である。

 

果たして、そうなんだろうか?

 

「誰でもできる首切り」だけが”リストラ”策ならば、なぜに立ち直ったニッサンのような企業と、消えてなくなった企業があるのであろうか?

また、ニッサンよりもメジャーな日本企業はあれど、なぜにゴーン氏の名は知れているのに、それよりも大きな企業の社長の名が浮かばないのであろうか?

 

●もう10年程前、まだゴーン氏が日産自動車のCEOに着任早々に彼の話を聞く機会に恵まれた。

そのときに氏が多く言葉にしていたのが<社員の幸せ>であった。

首切りは苦肉の策である。

数字だけを追い求めた首切りには<愛情>がなく、企業を復活させるキーワードは”社員の心”であると語っていたことを思い出す。

 

●本書において、ルノー社から一緒に片道切符で日本企業・日産自動車の再建に乗り込むチームに語った氏の言葉が印象に残る。

「君たちの中で、誰ひとりとして偶然日本に行く者はない。君たちが日本に行くのは、君たちが必要とされているからである。日本に行けば困難が待ち受けている。従って、100%を超えるモチベーションを持たなければならない」

「日本に行くのは、植民地支配ではない。必要としているのは”コーチ”であり、日本の人々の手助けをして、一緒になって問題を解決する人だ」

「君たちは宣教師ではない。日産の人々と一緒になって日産を再建するために、日本に行くのだ。従って、日産の人々を受け入れるのではない。日産を再建させるのは、日産の人々だ。私たちは、ただその手伝いをするだけだ」

 

●ゴーン氏が再建を成し遂げ、日本人経営者にバトンタッチをした瞬間に、日産自動車のV字に陰りが現れた。

現在は、再び代表取締役会長兼社長として第一線に立つ”カルロス・ゴーン”氏。

ひと昔前。「単なる首切りだけの策だ」と揶揄されたゴーン手法。

百年に一度の未曾有の世界経済危機。

この状況においてこそ、「ゴーン氏の経営手腕はゴーン氏でなければ成し得ない」と証明してくれるであろう。

そんな予感を感じさせる一書である。

 

●おすすめ度→★★★★☆

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『上司は思いつきでものを言う』

《あしたのための読書:会社運営編》

★『上司は思いつきでものを言う』 橋本治氏著

●サラリーマンが集まる居酒屋では、給料を始めとした”会社に対するグチ”が飛び交う。

中でも多いのが、”上司”に対する不満である。

「○○さんは、いつも言うことがコロコロと変わるからやってられないよ・・・」

「○○さんは、優柔不断なんだよね・・・」

てな具合・・・・・。

本書は、そんな生産性の無いグチのための本ではない。

タイトルから想像される内容をはるかに超えた、”企業風土”を考えさせられる一書である。

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「思いつきでものを言う上司」

「そんな上司に対してグチを言う社員」

この表裏一体の現象は、企業にとっては衰退への赤信号である。

それはすなわち、そのような”企業風土”になってしまっているという警告である。

グチや、ましてや敵は<社内>にはない。

当たり前ではあるが、ライバルは、<他社>なのである!

そんな衰退信号が点っている企業風土は、どこが原因なのか?

企業風土・企業イデオロギーのルーツはどこにあるのか?

歴史を遡って考えると共に、未来に向けた示唆を行っている一書である。

●おすすめ度→★★★☆☆

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『最強組織の法則』

《あしたのための読書:会社運営編》

★『最強組織の法則』 ピーター・M・センゲ氏著

●どんな商いを行っていても、たとえそれがインターネットの商売であっても、会社を運営しているのは”人”である。

ましてや、お客様は、全て”人”である。

だからこそ、会社経営(運営)の最高責任者である社長は、”人の心”を学び、理解することが会社運営の土台となってくる。

その人心掌握をベースとして、次におこなうのが”組織づくり””ひとづくり”である。

本書は、その”組織論”のバイブルといわれる書のひとつだ。

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●商売の根幹は、会社の商品(又はサービス)を「お金を払ってでも必要である」という<お客様>がいかに多くいるかにかかっている。

「お金は要りません」

「タダなら利用します」

会社戦略として無料を入口にするならばいざ知らず、商売である以上有料なのである。

その一線をしっかりと自覚していなければ、いつまでたっても無報酬のままであり、販売側の質や責任感の向上は期待できない。

プロスポーツの世界でいえば、草野球は「お金をいただく」という目的がないので、”実力”が向上しづらい。ましてや、有料のお客様を呼ぶために必要不可欠な”エンターティナー性”は期待できない。

プロスポーツを例にすると実感がわかないかもしれないが、昨今の雇用形態や業態から、「プロ」と「アマチュア」の意識の境目にある状態で働く人や、会社・業界も目立つ世情である。

 

●一見「プロ意識」は個々の人の内部意識であるかのように思えるが、ひとりで運営する会社ならばいざ知らず、複数の人間で成り立つ会社という単位で見ていくと、「プロの会社」と「アマチュアの会社」の違いは、その”組織づくり”に顕著にみることができる!

同じ資本、同じ能力の人、同じ業態、同じ・・・・・。

全く同じ環境で異なる二社がスタートを切っても、数年後にはその経営結果に雲泥の差が表れる。

その差を決するのが<組織>であり、その組織づくりの頂点にあるのが<社長>である。

 

●過去の時代は、同一企業モデルを何十年も続けることができた。

従って、創業期に培った企業モデルを踏襲すれば会社は右肩上がりに成長していった。

同様に、人に関しても、スーパーマンの創業社長を頂点として、その企業内部だけでの経験を永く踏襲することが実力となっていった。

しかし、移り変わりが速く、しかも無限大にある情報や専門性を必要とする今日にあって、スーパーマン創業社長だけでは太刀打ちできない時代となった。

いちいち決裁を待っていては、「他社」のスピードに負けてしまう。

社長よりも優秀な人を登用していかなければ、「他社」の専門性に負けてしまう。

そんな時代である。

この時代の社長に求められるのは、自身のスーパーマン性ではなく、より多くの”タレント”を擁するかということであり、そのタレントをいかに束ねるかということである。

その構築結果が<組織>となっていくのである。

 

<組織づくり>というと、センスのない経営者は、すぐに「ルールづくり」と勘違いしてしまう。

それでは、今日の時代に対応できないばかりか、タレントたちの才能をも埋没させてしまう。

今日に適した組織とは、タレントたちがその実力をいかんなく発揮し、一方ばらばらになりがちな会社運営をいかに線でつなげることができるかということである。

「規制」ではなく、「自由=成長」と「連携」の両輪を備えた組織づくりを成しえた会社こそが、21世紀に生き残っていく会社である!

 

●本書の発刊は、1995年と今から15年近く前の発刊ではあるが、本書の主題である「ラーニング・オーガニゼーション(学習する組織)」は、現代に求められる組織論の礎になった一書である。

本書では、「学習する組織」には5つの要素があると述べている。

◇システム思考

◇個人の視野を明確にする自己マスタリー

◇固定されたイメージであるメンタルモデルの克服

◇共有ビジョン

◇チーム学習

組織づくりを要する二代目社長のアナタにとってのバイブルの一書となることを確信する。

 

●おすすめ度→★★★★★

 

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●組織論そのものではないが、組織や人づくりを行っていく過程として、『知識創造企業』を併せて読めれることをおすすめする。

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『リスク -神々への反逆』

《あしたのための読書:会社運営編》

★『リスク -神々への反逆』 ピーター・バーンスタイン氏著

●近年の投資ブームによって、「リスクをとる」という言葉をよく耳にする。

「3億円の宝クジに当選するために、3,000円のリスクをとる」

「いや、僕は3万円のリスクを覚悟するよ」

てな具合である。

すなわち、確実に”当たり”(正解)がある事柄に対して、自分の投資が水の泡になってもよい覚悟の度合いを示すことが多い。と同時に、リスクをとればとるほど、当たりを引き当てる確立が高い行為に対して使われている。

しかし本来の<リスク>とは、まさに「神のみぞ知る」といわれるような不確実性に対してのマネジメントを指すのである。

従って、成功不成功ばかりではなく、正解すら見えない状況にあって、リスクを負うとか負わないとかばかりか、リスクを負っても必ずしも見返りがない事項に対してとられる処置も含まれる。

例えば、地震が起こることに対しての建物の強化や、保険の加入などなど・・・・・。

このような不確実性をリスクととらえ、その本来不定量なリスクに対して、定量的に把握・コントロールしようとした人類史を描いたのが本書である。

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●近年、<リスク・マネジメント>が叫ばれている。

企業におけるリスク(不確実性からくる危険)と、一般の方が認識しているリスク(投資に対する負担度)とは異なる。

そんなときには、原書に触れて「語句の持つニュアンスの違い」に触れるのが一番である。

本書は日本語版ではあるが、賭博師からノーベル賞学者まで・・・・・歴史や状況が異なる中で人類はどうリスクを捉え、どう対処しようとしてきたかが伝わってくる書である。

記載の中心は数学史書的側面を持つが、歴史上の人物やその時代背景を含めて展開されているので、読み進めるごとに深みに入っていくすばらしい書に仕上がっている。

 

●人類は、本来不確実なリスクをどう定量化しようとしてきたのか?

金融工学・確率論・遺伝の法則・ゲーム理論などを紹介し、その行為に迫っていく。

1998年に日本版として登場した本書であるが、今まさにリスク・マネジメントが注目されている中、あらためてその先見に驚かされる。

やっぱり、本場米国の経営学は、日本の10年以上は先を行っているのだなあと痛感させられる書のひとつである。

本書を読んで、本来の<リスク>とは、そしてそのリスクを統制しようとする<リスク・マネジメント><リスク管理経営>とはどのような行為なのかという片鱗を学んでいただきたい一冊である。

 

●おすすめ度→★★★★☆

 

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『思考スピードの経営』

《あしたのための読書:会社運営編》

★『思考スピードの経営』 ビル・ゲイツ氏著

●言わずと知れた、マイクロソフト社の総帥、ビル・ゲイツ氏。

<ウインドウズ(Windows)>の生みの親として知られるビル・ゲイツ氏ではあるが、彼も起業家のひとりである。

小さなソフト開発会社からスタートした彼は、ウインドウズの開発により、世に名を知らしめる。開発当初、ウインドウズに目を付けた大手企業が、その権利を買い取ろうとしたが、拒否した。その先見性と、自身の作品を信じる情熱によって、ウインドウズは大ブレイク。20世紀の「産業革命」のひとつであると言っても過言はない。

今では、バフェット氏と長者番付世界ナンバー・ワンを競うアメリカン・ドリームの象徴である。

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●本書を通して説いているのは、<ネレッジ・マネジメント>に経営をシフトさせていく重要性と先見である。

2000年の発刊であるが、その後の急速なインターネットによる情報収集・公開の飛躍と、それに伴う会社経営の戦略構築の変貌を見れば、ゲイツ氏の先見はズバリ的中していると言える。

「知識は力なり」

過去の企業形態においては、熟練者による<暗黙知>が会社運営の見えざる根底にあった。

その構築にあたっては時間を要し、同じ人が永く同一企業に勤めるという大前提があった。ましてや、団塊世代の大量退職が進行する日本においては、人(の頭の中)に知識が属するということは企業の死活問題である。

そして、インターネットの普及によって、現代経営に求められる最重要キーワードに

スピード

が求められるように変化したのだ。

 

●スピード経営においては、人が一人前になる時間を短縮しなければ勝ち残れない。

従来の時間を掛けた経営では、生き残ってはいけない。

ただ単に、「決断」を早めただけでは浅はかな経営しかできない。

企業体質・企業のビジネス形態そのものをスピード経営時代に適合させることが肝要なのだ。

その大前提が、会社・組織に知識を属させるナレッジ・システムである。

あなたの会社では、未だに「手作業」をしていませんか?

ななたの会社では、未だに「紙資料」をぐるぐる回しては、途中回覧に意味のない稟議を回すことに満足して、現代経営の最大の資源である時間を浪費していませんか?

あなたの会社では、今決断できることを、延々と先送りしていませんか?

あなたの会社では、・・・・・・・・・・。

条件反射

スピード経営においては、決断を条件反射のごとく行わなければならない。

闇雲に浅慮しろということではない。日々の修練がなければ成しえないことは、この時代においても変わらない。むしろ、スピード経営においては、旧来以上に、いかに日々修練しているかが勝負の分かれ目となる。

商取引

ナレッジマネジメント

ビジネスオペレーション

この3つを融合・確立した企業が、これからも生き残る企業である。

 

大が小を飲み込む時代は終わった

 

早い者が遅い者を飲み込む時代である!

 

●おすすめ度→★★★★☆

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●<ナレッジ・マネジメント>に関しては、日本人著の世界に通用する経営書のひとつ『知識創造企業』も、ぜひ併せて読むことをおすすめする。

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『THE INVISIBLE CONTINENT(洋書)』

《あしたのための読書:会社運営編》

★『THE INVISIBLE CONTINENT(洋書)』 MR.KENICHI OHMAE (大前研一氏)著

●僕が憧れるひとりに、日本を代表する経営コンサルタントの大前研一氏がいる。

対企業へのコンサルタントの枠を超えて、日本国のコンサルタントとして数々の提言を行っている。

世界的に通用する、数少ない日本人の経営コンサルタント、経済評論家である。

僕が最も氏に憧れるのが、「自身の実践による証明姿勢」である。

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●世界有数のコンサルタントファームのマッキンゼーにおいて、個人の能力としても世界に名を知らしめた大前研一氏。

その能力もさることながら、氏の真骨頂は<チャレンジ>にあるといってよい。

経営コンサルタントとして著名な方はたくさんいる。

企業を大きくして、上場する方もいる。

しかし、その内の99%までは、「第三者」のままである。

大前氏は、これだけ著名なコサルタントにも関わらず、持論を「自ら実証」しようとしている。

1990年代は、国政・知事へ立候補し、自身の考えを政治に活かそうとした。残念ながら、そのチャレンジは実らなかったが、1998年には<株式会社ビジネス・ブレークスルー>を設立し、東証マザーズに上場した。

「経営コンサルタント」業務のまま企業を拡大・上場するケースは他にもあるが、大前氏の場合は、唯一、「ネット大学院」という「ビジネスモデル」の提示を行った。

コンサルタントが「自身で実証」なんて、まずできない。

「白」「黒」がついてしまうからである。

偉そうにのたまわっていても、自身のチャレンジに「結果」がでてしまうのを恐れるからである。

そこが素晴らしい。

だから、憧れる。

 

●経営の書籍は、米国を発祥とするケースが多い。

従って、米国で論文等を真っ先に発表するケースが多く、氏の書籍も米国発祥も少なくなく本書も英語版である。

本書発刊時には、既に著名となっていた大前氏であったが、本書において自身の経営論を覆すがごとく、書籍によってもチャレンジしている。

氏の考え方のベースには、「世は移り変わっている」ために、経営の現場においても環境に順応しなければならないということがある。

決して場当たり的対応ではない。しっかりと大前イズムを根幹に抱きながらも、現場における対応は時代背景(先行き)を読むということにある。

「見えない大陸」

本書の書籍名を直訳するとそうなる。

氏は、流動的な無限の世界を、4つの要素で説明している。

古くからの実績・風習(=分っているもの)を見ているだけでは、「目に見えない」ものが見えてこない。

目に見えないものこそが<未来>であり、経営者は、その未来を読む力量と、方向を示すリーダーシップが求められる

体系だった学術書というよりも、実践に富むコンサルタントの「未来予想図」論文といった書籍である。発刊時の2000年に、既に何年、何十年先を見通していることが非常に興味深く、そこから8年分の結果がでた2008年の現在において読み返すと、あらためてその「眼力」に感服する一冊でもある。

●おすすめ度→★★★★☆

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『曹操注解・孫子の兵法』

《あしたのための読書:会社運営編》

★『曹操注解・孫子の兵法』 中島悟史氏訳(解説)

●先日、お気に入りの書店をぶらついていたときに、見知らぬ方から「先生!」と声を掛けられ、その方の書籍選びをお手伝いした。

その方と別れた後も気を良くした僕は、先生気分で以前から気になっていた本書を中枚(僕には大枚)3枚も払って購入した。・・・金欠なのに、ついつい本を買ってしまうんですよね。毎月2~3万円は書籍を買っている。

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●経営者の多くは、自身の指南書を持っているものである。

その代表格が「孫子の兵法」関連の書。

今から2千5百年以上前に記されたと思しき書ではあるが、太古の中国の武将・戦略家の座右の書として愛読され、21世紀になった今でも色褪せない歴史的戦略指南書のひとつである。

それだけ、ひとつひとつの戦略・戦術に、リーダー(指導者)のとるべき方針が凝縮されている書であるといえる。

それ故、「孫子の兵法」関連の書は、巷にあふれている。本書も他出版社によって、後年同名書が発刊されている(本書と同内容であるかは確認していません)。

孫武(孫子)はいかなる立場・環境にあって兵法を確立させていったのであろうか?

紀元前の中国は、「楚」という超大国が支配していた。

その超大国に対し、文字も経済もままならない「呉」は、楚から人材を引き抜いた。

今でいえば、帳簿も付けてないような地方の中小企業が、大手上場企業から人材を引っ張り、しかも共同経営者として迎え入れたのである。

どの時代、どの成長企業にも共通するのが、この「大抜擢人事」である。

そのベンチャー国家「呉」の後継軍師が孫武であり、文化や経済もままならなかった「呉」を、わずか10年で最強の軍事大国に成長させたのである。

『三国志』を読んだ後に「孫子の兵法」関連の書を読むと、一段と理解が深まる。

僕は、大の曹操のファンなので、数多くの類似書の中でも以前から気になっていた一冊であった。

本書に「曹操注解」とあるように、三国時代の武将のひとり曹操は、大の戦略研究家であり、部下に多くの指南書を残したひとりでもある。・・・デタラメ戦争(当時は事業)して、デタラメ国づくりをしていただけでは、あのような超大国には成長できない。

本書は、「孫子の兵法」を過去の文献からできるだけ正確に再現しようと試みた書であり、同時に、戦略家・曹操がそれに対してどう解釈・判断し、どう指導していたかが伺える書である。

「孫子」ばかりか、「曹操」も学べる書である。

更に、曹操とくれば『三国志』の場面も登場し、『三国志』に登場する戦略や武将との対比をすることによって、より面白みが増す一冊である。

泣いて馬謖を切る!

三国志の終盤に出てくる名場面のひとつである。

物語随一の軍師・諸葛亮孔明が、いちの後継者として手塩に掛けていた馬謖(ばしょく。「しょく」は出典によって漢字が異なる)が、自身の手柄を立てようと躍起になり、孔明の命に背いて自陣が大惨敗になったときに、軍律を重んじる孔明が馬謖の首をはねた場面である。

その馬謖も、孔明の後継者のひとりとされるくらいであるから、当然孫子の兵法も心得ている。

ところがそれが災いした。

孫子の兵法には「自陣は高地で日当たりが良い場所とする」とある。

しかし、このことは、敵と対峙する自陣の中軍(大将軍)の場所であり、必ずしも戦闘場所には適していない。

馬謖は、高地に陣地を構えたせいで、敵軍に水路を断たれて見方が水を補給できず大敗する結果を招いてしまった。

・・・読み進めるごとに、再び『三国志』をも読み返したくなる書である。

●戦略家としての曹操の考え方に留まらず、指導者として、どのように「組織」「国家」をつくろうとしていたかが伺い知れる。

乱世の奸雄

物語の中ではそう評される曹操ではあるが、組織の、国家のトップ・リーダーとして、曹操が常に念頭においていたことは、実は「人心掌握」。

人の心

であることに気付く書でもある。

経営指南書として、『三国志』をより一層興味深く読む書として、本書はうってつけである。

●おすすめ度→★★★★☆

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●著名な経営書の多くはアメリカ発であるが、日本人である二代目社長のあなたは、ときには東洋の戦略、東洋の人に対する考え方・接し方を学んで、合理的な米国思想と情緒的な東洋思想とのバランス良い、日本型経営を目指すとよい。

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『バフェットからの手紙』

《あしたのための読書:会社運営編》

★『バフェットからの手紙』 ローレンス・A・カニンガム氏著

●米経済誌の『フォーブス』が3月5日に発表した「2008年版・世界長者番付」において、これまで13年連続首位であった米マイクロ・ソフト社会長のビル・ゲイツ氏が首位の座を明け渡した(3位)。

首位に躍進したのは、毎年ビル・ゲイツ氏と1位を競っていた、友人でもある、米投資家のウォーレン・バフェット(Warren Edward Buffett)氏であった。

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●バフェット氏は、世界最大の投資持株会社であるバークシャー・ハサウェイの最高経営責任者である。

祖父からコーラを購入(仕入れ)してそれを売ったりして、幼いころから「商売感覚」を磨いてきた人物である。

初めて株式を購入したのが、11歳のときだそうだ。

その後も、14歳のときに農地に投資をしたり、高校生のときには友人とピンボール台レンタルの商売もした。

「投資」という言葉からは、そういう教育や社会経験を積んでこなかった我々日本人にとっては、「投機」や「ギャンブル」といった悪イメージを抱くことが多い。

バフェット氏自身の投資も順調なことばかりではなかった。ときには、投資対象が下落することもある。

しかし、「偉大な企業とは、25年から30年偉大であり続ける企業である」との持論のもと、「株価がその企業価値よりも安く、しっかりとした経営陣であると確信できるのであれば、そこで利益を生むことができる」との信念によって、購入した投資先を長く応援するのが氏の投資特色である。

いわゆる<バリュー(価値)投資><長期投資>である。

従って、ギャンブルや投機のような「丁半博打」ではない。

そして、最終的にその企業を応援するか否かの判断は、経営者の人格によって判断している。

いっときのブームによって企業価値が向上しても、経営者の向上心が続かないといずれ衰退してしまう。ましてや、経営者のスキャンダルや不道徳によって、一瞬に企業は消え去ってしまう。従って、企業が永く繁栄するには、経営者の人格が不可欠なのである。

 

●本書は、投資方法論書ではない。

投資に対するバフェット氏の哲学を記した書であるといえる。

バークシャー・ハサウェイ社の株主に向けて、最高経営責任者であるバフェット氏からの「会長からの手紙」がテーマ別に掲載されている。

従って、投資哲学という枠に留まらず、経営やリーダーシップなどの気付きや学びを得ることができる内容が満載である。

バフェット氏の手紙から、抽象的な哲学と、実践に対する具体例との両方を読み取れる名著だと思う。

特に、二代目社長のあなたは、「経営者としての立場」「投資家としての立場」はもちろんのこと、「投資家にメッセージを発する立場」としても哲学・実践の両面から参考になる一冊である。

●おすすめ度→★★★★★

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『リーダーシップ論』

《あしたのための読書:会社運営編》

★『リーダーシップ論』 ジョン・P・コッター氏著

●昨日、大阪府知事選において、橋下徹(はしもと・とおる)氏が圧勝した。

そのことを、今朝記事にさせていただいたら、メディアに取り上げられて思わぬ好評を得た。

これで、橋下氏は「私」から、大阪府900万人のトップ・リーダーとなる「公人」となる。

「釈迦に説法」ではあるが、これから多くの人々の生活を預かり、日本の「商い」の源を引っ張るリーダーとなった橋下氏に本書を贈る。

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●ハーバードMBAで教壇をとるコッター氏は、1,000回以上のエグゼクティブへのインタビューを経た結論として、「今日の組織の大多数には、必要なリーダーシップが欠けている」というショキングなものであった。

更に、リーダー不在でも組織は回るという概念に対し、企業活動の様々なファクターには、リーダーの有無、リーダー・シップが左右されているとも語る。

本書を通じて感じさせられるのが、組織変革にウルトラCはなく、複雑な段階を経る息の長い仕事が必要であるということである。

また、「マネジメント」と「リーダーシップ」は別物!との見解も示している。・・・特に、中小企業においては、社長がマネジメントとリーダーの一人二役を務めることが大半であるが、それぞれの役割を説明し、組織変革の道を示している。

 

<組織を動かす>

 

同一視されがちな「リーダーシップ」と「マネジメント」を明確に分けて考えることができる書であり、そのことによって、社長、あるいはエグゼクティブとして一人二役を務める方にとっても一考を投げかける書である。

人を動かすことは単純ではない。

階層や権威だけでは人は動かない。日頃のコミュニケーションを土台とした人的ネットワークや依存関係という人間性を考慮して、はじめて成し得る行為である。本書は、学術的な側面に終わることなく、実践の書としても大いに役立つ書である。

●おすすめ度→★★★★★

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『ザ・ゴール』

《あしたのための読書:会社運営編》

★『ザ・ゴール』 エリヤフ・ゴールドラット氏著

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●2001年発刊と共に、世界で1,000万人以上の人が読んだビジネス書である。

採算の悪い工場の責任者を任された主人公が、3カ月という期限において、どうやって工場を立て直したかが小説仕立てに描かれている。

従って、難しい生産現場における経営手法や、社員をまとめあげる過程が、とてもスリリングに展開され、自然と経営手法が頭の中に入ってくる。また、読者自身の発想も沸いてくる書である。

キーワードは<ボトルネック(弱点)>

今でこそ、「トヨタ式生産方式(カンバン方式)」がメジャーになったが、それまでの工場は、最終製品の在庫以前に、いたるところに「仕掛り在庫」があったはずである。途中、途中のラインが一生懸命に仕事をすればする程、「工場内」の仕掛り在庫が増えていく。それはすなわち、企業にとってのデッドストックであり「死んだお金」に他ならない。

そのことを悟った主人公は、工場の「最終工程」に着目し、そこから順に仕掛り在庫を溜めない「力(人員・機械)配分」「工程」を組んでいった。そして、従来は「製品在庫」だけにしか着目されなかった経営視点を、「仕掛品なし」という発想に<変革>させ、遂に工場を黒字化させるというストーリーである。

●本書の着目点としては、以上を挙げる書評がほとんどである。

しかし、当ブログ読者の皆さんには、「工場」「生産」現場に留まらず、あらゆる企業に応用していただきたい内容である。

例えば、販売会社で、いかに製品が揃っていても、いかに生産力があっても、「販売力」が無いと在庫とのバランスが保てない。販売力と在庫(理想はゼロ)のバランスがあってこそ企業から「無駄」が省かれるのである。

「企業再生」を行うときに、先ず「経費削減」から始める経営者が多い。そして、再生しないままに終結する例がほとんどである。

経費削減は、時間稼ぎであることを忘れてはいけない。また、働く者のテンションを殺ぐことに対する経営的見返りは少ない。

それよりも、先ずは「大局的」に企業の贅肉を発見することである。その行為こそ、経営者、「社長」の真の実力と言って良い。そのためにも、二代目社長のあなたは、あらゆることを「見聞」し、そこから経営ヒントを見出す「感性」を養う必要がある。

●更に、本書から学んでいただきたいのが、「チームワーク」とその力による組織・会社の<変革>である。

本書を生産向上術とだけと捉えずに、その過程における変革推進者と、そのチームとの議論過程。更には、働く人々をどのようにやる気にさせ、意識改革したかまで読み込んで欲しい。そういう視点に着目すると、小説仕立ての本書の良さが更に伝わってくる一冊である。

<変革>を目指すならば、先ず読みたい一冊である!

●おすすめ度→★★★★★

●本書の大ブレイクによって、同名の続刊や、シリーズ書も発刊されています。先ずは、その原点である本書から読まれることをおすすめします。

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『ウェルチの戦略ノート』

《あしたのための読書:会社運営編》

★『ウェルチの戦略ノート』 ロバート・スレーター氏著

●20世紀を代表する世界的経営者のひとり、ジャック・ウェルチ氏。

米国のいち電器会社であったGE(ゼネラル・エレクトリック)を、世界に冠たるコングロマリット(多角経営。複合企業。)に押し上げた手腕は経営の教科書のひとつである。

本ブログでも紹介した『GE革命』では、どちらかというとジャック・ウェルチ氏の大局観やチャレンジ精神が伺い知れるが、本書においては、GE内部のインタビューを豊富に取り寄せ、より<戦略>として、より詳細に、どのように企業を進化させていったのかを知ることができる。

旧来のピンチに立つ企業を変革し、更に違う次元へと進化させていく。

その過程においては、CEO(当時)のひとりよがりや強制では決して企業は進化して行かない。

最重要・最大の牽引要因は<トップのビジョン>にある!

言うまでもなく、そのビジョンは、社員を始めとして、株主、取引先が共感し、感動するものでなければならない。その大きさこそが、企業を進化させていくエネルギー源となっていくのである。

ビジョンを浸透させ、抵抗勢力と戦い、そして、実践させていくためのチャレンジの過程と方策が記されている。

●GEは、伝統的にCEOが決まった時点で、それまでのCEO候補は退陣するという不文律がある。ジャック・ウェルチがCEOに就任したときも、現在のCEOへバトンタッチしたときも同様であった。

しかしながら、そのCEO候補たちは、ことごとく大企業のCEOへと就任していく。そのことは、GEのネームバリューばかりではなく、GE社の根底にあり、そして、ジャック・ウェルチ氏が醸成させた「ひとづくり」に渾身を注ぐ企業風土にある。

本書でも語られているように、ジャック・ウェルチ氏は、GE社内に企業大学を設けて、「ひとづくり」に精力を注いだことも記されている。

ジャック・ウェルチ氏が20世紀を代表する経営者として称賛されるのは、単にGEの企業規模だけではなく、「商売」によっても「企業づくり」によっても、永続するエクセレント・カンパニーをつくりあげたことが評価されてであると考える。ひとえに、「ひとづくり」風土を醸成させ続けていることが最大の要因であると考える。

CEOは代われど、企業は進化し続ける。その根底は、「ひとづくり」にあり、幾多のエグゼクティブを輩出する源となっている。・・・それが、「強い企業」であると身に染みる書である。

●表面的な企業の発展の根底には、企業内部、CEO自身にどのような考え方があり、それをどう形造っていったのかが鮮明に分かる(理解するには、繰り返し読むことと、読者自身の実践を要するが)書である。

ヤマト運輸社長(当時)・小倉昌男氏著の『経営学』と併せて読んでいただきたい書である。

●おすすめ度→★★★★★

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『エクセレント・カンパニー』

《あしたのための読書:会社運営編》

★『エクセレント・カンパニー』 トム・ピーターズ氏、R・H・ウォータマン・Jr氏共著 大前研一氏訳

●初版は、1983年前と、今から20年以上前の書であるが、未だに色褪せない書として、ときに読み返している書のひとつである。

本書は、当時の米国で<超優良企業>と呼ばれていた具体的企業を分析し、他の企業との比較によって「超一流企業が備えている条件」を探った書である。

他の企業では実施していなくても、超優良企業と呼ばれる企業でこそ実施していることはあるのか?

その疑問を徹底的な実地検証から探求し、「超一流企業の8つの条件」にたどり着いている。

そして、その「特別」と思われる方策を「一般化」しようと試みた書でもある。

●初版の1983年といえば、日本はまだまだ「バブル」を謳歌している時代である。

そんな「バブル=泡」の時代にあっても、しっかりと超優良企業像を「形」として模索しようとした書であり、その日本語訳者が、今では日本が世界に誇るコンサルタントの大前研一氏であることも偶然ではないと思えてくる。

混迷を続ける現在の日本企業経営においては、今だからこそ読み返したい書のひとつであり、今だからこそしっかりと企業の礎をつくっていく時代であるように思える。

初版後20年以上経った今なお新鮮な切り口に感銘すると共に、この混沌とした日本経済にあっても<将来につながる企業づくり>のヒントが多い書である。

後に刊行された『ビジョナリーカンパニー』(筆者は別者。こちらは続刊の2もあり)と併せての一読をすすめる。

●おすすめ度→★★★★☆

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ランチェスター経営・Tさん

《僕の宝物》

★【ランチェスター経営・Tさん】

★『小さな会社★儲けのルール』 竹田陽一氏、栢野(カヤノ)克己氏共著

●小さい企業が経営するうえでは、大企業の真似をすると痛い目に遭うことが多い。

大企業は、大きな資本(資金)と、多くの人員を瞬時に投じて、速攻で1番を狙う総合型戦略を取る。

一方の中小企業は、大企業の戦略や経営手法を真似ると、資金・人員の不足から、結果中途半端に終わり自滅することが実は自明の理であるが、巷の経営手法論は大企業向けのものばかりであり、経営者のインテリジェンスへのくすぶりも併せて、それを真似して失敗する中小企業経営を多く見る。

例えて言うならば、資金力にものを言わせて「ミサイル」で戦う大企業に対して、中小企業は資金力がないので「竹やり」で挑むが如くである。

大企業の<戦略>と、中小企業の<戦略>は違う!

この認識を理解・前提として、初めて「中小企業の戦略=進むべき方向」が明確になってくる。

大企業と同じ土俵に立って商売をしても、業界何十位、あるいは業界何百位かが関の山である。それはすなわち、業界内での<弱者>を意味し、赤字経営を余儀なくされる。

それでは、<弱者>である中小企業はどう進めば良いのか?

それは、「地域ナンバー・ワン」である。「ニッチ・ナンバーワン」であることもある。つまりは、いかに地域や業種を絞り、その中で<ナンバー・ワン>にならなければ企業は黒字にならないと言うことである。

そして<接近戦>によって、大企業のミサイルが使えない、竹やり同士の戦場をターゲットとすることである。

そんな弱者(=中小企業)にとっての経営バイブル書が『小さな会社★儲けのルール』(竹田陽一氏、栢野(カヤノ)克己氏共著)である。

●その竹田陽一さんから、今日、直接お電話があった。

ランチェスターと言えば竹田陽一さん。竹田陽一さんと言えばランチェスター。

そのくらい中小企業経営においてメジャーな竹田陽一さんであるが、とても気さくな方である。以前、直接お会いしたときにも、海の者とも山の者とも分からない僕に対して、「使えるものは何でもつかっていいよ」と言って、まだ本ブログを初めて間もない僕に対して、写真等の掲載やHPのリンク許可等の寛大な応援をいただいた。

竹田氏は、商売において、人との出会いを大切にする方である。お会いした方への礼状や電話など、書籍に書く方は多数あるが、それを自ら実践する方となると数少ないのが現実である。しかし、竹田さんは、自身がどれだけメジャーになってもそれを実践し、かつ、自分の進む方向性がぶれない方のひとりである。

その竹田さんの実践、というよりもお人柄からか、今日、僕に連絡があった。しかも、これは初めてのことではない。

そんなメジャーな方が、自身が公言することを実践していることは、本当に現実としては稀なのである。感謝であります。

本日、直接エールをいただいた竹田陽一さんに感謝を申し上げると共に、実践者として見習わなければと、あらためて決意を抱いた次第でした。

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●おすすめ度→★★★★★

●本書は、本当に、中小企業経営の身の丈に則した<バイブル>であります。

僕は、自身で読んだり、人にすすめて進呈したりして、手許にある本書は、4代目か5代目の蔵書であります。何回読んでも、その都度新しい発見を与えてくれる書です。

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『マーケティング原理』

《あしたのための読書:会社運営編》

★『マーケティング原理』 フィリップ・コトラー氏他共著

●季節はすっかり秋となって肌寒くなってきました。北陸では、あと1カ月少々すれば、雪景色です。

そんな読書の秋。読書に集中できる季節。春のあたたかい時期に読む書、夏の暑さの中に読む書、冬の寒さに耐えながら読む書。同じ読書でも、季節によって、読む本人の集中力や感じ方が違います。

秋の読書は、是非とも大書と呼ばれる書籍を1カ月程かけて読み込み、冬の間に構想を練り、そして、春に開花させて欲しい季節です。丁度、動物が冬眠前に力を蓄えるように、読書で力を蓄える時期です。

そんな秋が来るまで紹介を待っていたのが、本書、マーケティング界の神様・フィリップ・コトラー氏の代表作である。

会社の第一行動は、商品を売ることにある。その商品を売る「しくみ」がマーケティングであると言える。その世界的先導者であるのが、コトラー氏であり、商売の根幹であるマーケティングであるが故に、本ブログにおいても、著者の『マーケティング入門』『マーケティング・コンセプト』『マーケティング思考法』と紹介してきた。そして、今回、読書の秋を迎え、コトラー氏の真骨頂である本書を紹介する季節となった。

●経営は、先ずは基本である。

イチロー選手しかり、ピカソしかり、独創的と思える超一流は、「超一流の基本」を身に付けている

マーケティング界において、まさに教科書となるのが本書である。

独自の経営を行うためにも、先ずは基本である。また、オーソドックスを嫌う方も、教科書的と言うことは、「多くの経営者が根幹においている」とういうことである。その原理(相手の手法予測)を知っていて初めて逆を突くことができる。一見、独創的な手法も無茶苦茶はありえない。

●本書の特徴は、何と言っても事例企業の多さにある。実際の企業を例に検証されているので、実感として分かりやすい。また、優れて体系的であり、定番の所以である。

本書を手にしたときに、先ずは本書の「ぶ厚さ」に圧倒される。それ故、秋に読むのだ。最初は1日数ページでもいい。但し、ゆっくりと噛締めて読み進んで欲しい。また、少し余力を残して、その日の読書を止めて、是非その日読んだ内容を自身の頭の中で検証・シミュレーションをして欲しい書である。

難しいと思ってもあきらめずに読み進むと、きっとヒラメくときがある。ゴルフがなかなかうまくならないのに、ある日突然ナイスショットが打てるときがあるように、必ず開花するときが来る。

ゆっくりと時間をかけて読んで欲しい。この秋の読書は、冬の自問自答を経て、必ずやあなたの春の実力の源となることと確信しています。

●おすすめ度→★★★★★

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●本書は、改訂を繰り返し、現在「第9版」が最新刊です。お読みになる際は最新版を確認のうえお読み下さい。但し、法律書と違い、旧版にも経営者として多くの学びを得ることができます。高価ですので、購入できればよいですが、図書館等の旧版であっても十分学びを得ることができる書であると思います。

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『バカの壁』

《あしたのための読書:会社運営編》

★『バカの壁』 養老孟司氏著

●よく、ひとからおすすめ本を聞かれ、そのままあげてしまうことがある。しばらくして、自分でもまた読み返したくなり再び購入という本がある。本書もそんな一冊であり、手許にあるのは三代目である。

本書は、2003年を代表する大ベストセラーであり、その年の流行語にまでなった。

著者の社会現象に対する風刺といった感のある本書であるが、東京大学医学部出身の医学教授である著者ならではの医学的見解から、「人間の脳」がいかにその人の考え方・行動を決定しているかが垣間見える。また、人間の脳=考え方は、その人の「肉体」にも起因しているとしている。

まさに、心・技・体の修練である!

●人間は、自分の脳に入ることしか理解できないとし、最終的に行き着き「壁」となるのは、自分の脳であるとしている。併せて、人はいかに己の周囲に壁をつくっているかを述べ、その「一元化」がイデオロギー等の対立軸を生んでいるとしている。

一方、メジャー・スポーツ選手を例に挙げ、いかにメジャー選手が脳によってその能力を高めることができたかを述べている。先日紹介した『ツキの大原則』にも通じるところがあると思う。そして、その考え方(脳)と、修練された肉体の合体によって、メジャーに飛躍しているのだと言う。その記述においては、解剖学を専門とする筆者ならではの見解があり、僕は、実はその部分が本書のミソであると思って何度も読み返している。

二代目社長のあなたは、<人>と接して会社運営をしている。特に、社内においては、自分、自分以外の社員の人間力をいかに成長させるかが社長業の根幹のひとつであると思っている。従って、本記事を投稿するときの分類に迷ったが、社長としていかに人に接し、その人そのものを理解するかが社長・会社運営にとっての重要課題であるという意味から会社運営編に分類した。

社員が同じ目的を認識し、モチベーションを高めるために、やれ賃金体系だの、やれ○○研修だのという書籍を見かけるし、そのことを実践する社長を多く見かける。それ自体は悪いことではないが、それ自体は「手法」である。従って、手法から始めてしまうと、会社がどこを向いているかが理解されないまま右往左往することになる。また、個々の考え方を知らないまま発進すると、右往左往どころか、動いているふり・何もしない集団をつくってしまう。更に、その前段階である「人間」を知らないまま発進すると、高いモチベーションを醸し出せずに、当然結果を出せない社長(会社の結果は全て社長に起因する)となってしまう。

人間を知る・人間力を高める。心・技・体の「心」にもふたつがあると思う。ひとつは「心」で<感じる>という部分である。これは、社長が一緒に汗を流したり、目標やポジションによる社員の個々のミッションによるやる気を喚起したりという感性の部分である。優良社長は皆このことを強く意識して経営をしている。そしてもうひとつは、医学的に人間を知るということである。それが肉体であったり、「脳」である。心で感じるのは、いわば反射行為であり無意識に近い。一方、脳の行為は<考える>という部分である。社員と接してうなくいかない社長は、「感じる」ということと、「考える」ということを混同しているためにうまくいかないのだと僕は考える。

人を動かす

そのトップ・リーダーが社長である。

ならば、その人の、感じる部分である心の特性と、考える部分の脳の特性を知る必要がある。そのうえで、心と脳を刺激する理念やアクションプランを策定し、そのうえでどうするのかが手法である。順番を間違えたり、手法しかない社長から社員に向けたメッセージは「強制」でしかなくなる。

人間の行動の前提となる<考え方>。その考え方を構築する<脳>。本書を読むことによってそのプロセスを理解し、二代目社長であるあなたの社長業に活かして欲しい。

●おすすめ度→★★★★★

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『戦略シナリオ』

《あしたのための読書:戦略シナリオ》

★『戦略シナリオ』 齋藤嘉則氏著

●会社を設立・運営するときには、その<使命・理念>を土台として突き進む。「なぜ、会社を興すのか?」「会社運営を通して、何を実現したいのか?」という問いに対する答えが使命・理念である。

そして、その使命・理念を「どういう方向で実現するのか」という方向性が<戦略>である。よく戦略と戦術を混同している経営者がいるが、戦略とは「どういう方向」に導いていくかという方向性や枠組みであって、日々の「具体策」ではない。日々の具体策は<戦術>である。従って、二代目社長のあなたの経営を鑑みたときに、ほとんどが戦術であることが多い。戦略が高尚で、戦術は下等であるということではない。使命・理念なき経営は、「会社の存在意義」を希薄なものにし、結果、経営者・社員の士気が永続せず、市場からも永続した支持を受けない。また、企業がコンプライアンスに反した行為を犯してしまうのも、この使命・理念がしっかりしていない企業に多い。その使命・理念を持った企業が、どういう方向へ進むかが戦略であり、どういう方策で実現するかが戦術である。

戦略といえば、その分野を経営のいち分野として確立させたM.E.ポーター氏が筆頭格である。本ブログでも、そのポーター氏の代表作である『競争の戦略』を紹介させていただいた。ポーター氏の『競争の戦略』は、経営を学ぶ者・実践する者にとってのバイブルではあるが、いささか難解でもある。

そこで今回は、<戦略>とはどういう行為を指し、どういう風に「思考」して行けばよいのかを分かりやすく解した書を紹介する。それが、本『戦略シナリオ』である。

●本書は、経営者が、実践において「理論」「実務」の両面において、分かりやすい事例をまじえて解説する、言わば「経営戦略ガイドブック」である。

経営コンサルト会社として世界的に著名な企業のひとつマッキンゼー出身の著者が、戦略的に思考するためのトレーニング方法、基本的なフレームワークを解説している。「風が吹けば桶屋が儲かるのはなぜか?」といった具体的事例をどういうプロセスをたどって考えていくかを説明している。

更に、戦略は策定しただけでは「絵に描いたもち」であり、実施をしてこそ意味がある。まさに、タイトルに「シナリオ」とある通り、策定した戦略をどのように実行するかにも言及していることが本書の推奨理由のひとつでもある。そのためには、それを実行できる<組織>をつくり、何がひとりひとりを動かすのかという解を持ち合わせている必要がある。

シナリオは展開し、場面が変わっても、その「核(コア)」な部分が明快でなければならない。それが戦略である。筆者はそのことを「戦略エンジン」と名付けている。

その戦略エンジンを構築するための多くの事例や多くのチャートによって、読みながらに戦略思考が構築されていく書である。

戦略はシンプルでなければならない!

戦略とはリスクをとることである!

筆者からのメッセージである。

●おすすめ度→★★★★★

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『ブルー・オーシャン戦略』

《あしたのための読書:会社運営編》

★『ブルー・オーシャン戦略』 W・チャン・キム氏、レネ・モボルニュ氏共著

●血みどろの戦いが繰り広げられる既存市場<レッド・オーシャン>を抜け出し、競争自体を無意味なものにする未開拓の市場<ブルー・オーシャン>を生み出す戦略書である。

既存市場での競争にいかに優位に立ち、いかにそのシェアを拡大するかを記してきた既存の戦略書。世界経済が拡大一途の時代には、その戦略が功を奏してきたが、世界市場が飽和状態にあり、目まぐるしいスピードによって市場が成熟化していく今日においては、既存の戦略では限られた市場パイを奪い合うに過ぎず、まさに血みどろのレッド・オーシャンであった。

本書の提唱する戦略は、そのレッド・オーシャンから抜け出し、いかに競争のない市場、すなわち、ブルー・オーシャン「創造」していくかにある。

本書は、海外の教授陣による著である。海外の大学教授等の教鞭に立つ方の書の特徴のひとつは、机上の研究を裏付ける臨床(実社会の企業実地)を行う点である。本書も数多くの実社会での企業検証から、今日の創造企業とも言うべき新しい市場を生み出した企業の実例において検証されている。

●本書の目指すところは「競争のない新市場創造の体系化」にある。

「そんなことができたら、誰も苦労しないよ!」

と思う方がほとんどであると思う。本書を読む前までは、僕もそのひとりであった。ところが、具体的企業実例をいくつも読むにつれて、そのイメージがおぼろげに分かってきた。更に、上記にも記したとおり、本書はその「体系化」が目的のひとつである。従って、どのように「考え」、どのように「フレームワーク」を定め、どのように「進める」かが理解し易い。

本書の実例の中で、我々日本人にも馴染み深いのがNTTドコモのiモード戦略である。通話という飽和状態にある市場に、携帯による文字産業=iモード戦略に向かい、これまでにない需要=市場を創りだした。本書の記載ではないが、ユーミンが従来の歌を歌うコンサートから、ショーとしてエンターティメント要素を前面に出した活動をしているのもそのブルー・オーシャン的戦略に該当するように思える。

本書の提唱する体系は次の通りである。

◇ブルー・オーシャン戦略とは:ブルー・オーシャンを生み出す。分析ツールとフレームワーク。

◇戦略:市場境界を引きなおすための目のつけどころ。新規需要。正しい戦略順序。

◇戦略の実行:組織のハードルを乗り越える。

◇戦略の持続と刷新

以上の構成から成る。

●一見、ポーター氏の『競争の戦略』に代表される従来の既存市場の競争に勝ち残る戦略に対峙しているように感じたり、単なる新規事業の書に感じたりする。しかし、本書の目指すブルー・オーシャンを創造するには、既存市場で生き残るだけの基礎が必要であり、奇を狙った新規事業への進出でもないことが、本書の体系だった構成によって理解できる。

既存市場で勝ち残るための視点としても、既存事業を基礎に新規戦略を練るためにも、そして、本書の目指す競争のない市場=ブルー・オーシャンの創出のために、日々凝り固まった視点から脱却する書としてお勧めする。

●おすすめ度→★★★★☆

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●本書の提唱する戦略は、あくまで既存市場にない戦略を実施するところにある。つまり、既存市場があってこその戦略である。そのために、既存市場における「基礎力」が大切であり、自身・自社がしっかりとしていないと、既存市場にないものばかりを目指すが故に、確固たる骨太の戦略、ひいては、企業理念等の企業の進む方向を見失う恐れがある。自社の進む方向性を企業理念としてしっかりと固め、ベースとしての戦略を膨らませる戦略として、凝り固まった頭をほぐす書として向き合うのが良いと思う。

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『人脈の教科書』

《あしたのための読書:会社運営編》

★『人脈の教科書』 藤巻幸夫氏著

●明治15年創業以来、120余年の社歴を持つ、老舗企業のひとつ<福助>

身の回りの衣料品として、誰もが一度は使用したことがあると思う。ご存知の通り、その福助は、2003年6月に民事再生法適用を申請し、現在再建途上である。

その老舗企業の新代表取締役社長として、前途を託されたのが、著者の藤巻幸夫氏である。

藤巻氏は、いわゆる生え抜きではない。福助再建のために外部から招聘された<ターンアラウンド・マネジャー>である。

企業の再建においては、旧経営陣の責任という側面や、旧来の経営手法の見直しとういう側面から経営者が交代する。中小企業においては、創業社長の知名度を再建に活かすために、法律が許すケースにおいては旧代表取締役が続投するという場合もあるが、大手企業の再建となると旧代表取締役は退陣し、旧経営陣からの昇格や金融機関等からの招聘も稀であり、多くのケースでは<経営のプロ>を抜擢する。

一見、その道を熟知した者が、その「業界のノウハウ」によって成功すると思われがちであるが、スピードが最優先の再建時においては、「社長としてのノウハウ」がものを言う。企業が再建を目指すとき、株主、従業員・家族、仕入先、販売先、金融機関等々に対しての「協調」が求められる。そのバランスを調整し、前に進む原動力は、業界のノウハウではなく、「社長業」としての力量が求められるからである。

企業再建においては、スピードが最重要事項であり、そのために経営を経験したことのある人物が抜擢される。著者の福助におけるケースでは、業界内からの抜擢であったが、異業種からの抜擢も珍しくはない。

では、再建のトップリーダーには何が求められているのだろうか?

ズバリ! <人脈> である。

●再建企業において最も必要なことは、お金でも権威でもない。「信頼回復」である。

商売の基本は、いかに信頼を獲得するかによって決まる。「商品」を扱う場合も、商品そのものが魅力的なのは前提であって、売買をブレイクさせるのは人である。対人販売はもちろんのこと、ネットの場合もそのしくみを構築するのは人であり、その流れを加速させるのも人である。ところが、軌道に乗った企業が陥りやすいのは、その原点を忘れいつのまにかお金や権威に物を言わす経営になってしまうからである。そして、信頼の結晶が人脈となっていく。人生も商売も、いかに良質の人脈を持っているかで決まる。

人脈というからには<脈>なのである。良質な人脈は、脈の如く、次から次へと<人>をつないでくれる。そして、ぞくぞくと湧き出てくるのである。一方、お金がきっかけの人付き会いは、その1点で止まってしまい、人がつながることもなければ、永続することもない。

その藤巻氏が、自身の体験を基に、人脈づくりを記したのが本書である。

本書は、経験豊富な著者が描く根性本ではない。一見するとHowTo本のような趣である。見開き2ページにひとつのテーマを記し、左にポイント・右に図、とういう構成によって人脈づくりを順を追って記載している。従って、とても見やすい。そして、ポイントが把握しやすい書になっている。

本書と共に、お気に入りの社長の書籍を読んで、如何に経営において人脈が必要かを感じて欲しい。そして何よりも、社内に閉じこもらずに、どんどん新しい出会いを求めて行動して欲しい。

●おすすめ度→★★★☆☆

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●現在の福助株式会社の代表取締役社長は、吉野哲氏である。その吉野氏は、藤巻氏の伊勢丹時代の同期入社の友人である。ここでも藤巻氏の人脈が活かされている。

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『失敗の本質』

《あしたのための読書:会社運営編》

★『失敗の本質』 戸部良一氏他共著

「戦略(strategy)」「戦術(tactics)」<戦>という文字が使用されている通り、経営学は軍事研究から発展した要素が大きい。また、「組織」「組織の機能」(連携・命令系統等)も軍事研究から発展している。

それ故、経営を極めるために、軍事行動から学ぶことが多い。本書は、副題に<日本軍の組織論的研究>とあるように、一見、経営学とは無関係に思える大東亜戦争における日本軍の敗戦を、組織論の観点から分析している。その分析は、経営における「組織」の本質に通ずることが多く、反面教師として経営実践に大いに活用できる書である。

●太平洋戦争中の日本軍の組織行動研究が主眼であるが、そのことは、今日の日本企業の組織の本質を映し出している。「人的ネットワーク重視型組織」「属人的意思決定」「主観」「希望的観測」の横行。それらが、戦略なき組織行動として日本軍を敗戦へと追い詰め、そのことはバブル期における日本型経営に酷似する面が多い。すなわち、過去の日本型経営においては、「仕事に人がつく」のではなく、「人に仕事がつく」状態であり、その実行判断は、その人の主観に基づくものであり、その判断も全体の戦略に基づくものではなかった。それ故「どこに向かっているのかが分からない」組織行動をとってしまう

経営に絶対はない。ある時代においては「優」とされていたことも、時代が違えば「不可」となされることも多い。そのことは、時代背景等の環境の違いを念頭において、その時代に適切な経営を行わなければならないことを意味する。その中においても「本質」を見極め、二代目社長として、本質として一貫する考え方と、環境によって臨機応変に変化させることを区別し、社内に浸透させる必要がある。

●本書を読み進めるにつれて、日本軍の組織的欠陥は、「指揮官と現場の乖離」であることに気付く。作戦を決める指揮官(経営者)の意思決定が、現場(従業員)からの報告を踏まえずに立案・意思決定がなされるために、「机上の空論」となり、バブル期の経営に象徴されるように「引き際」を誤り、無駄な突進に終始している。指揮官(経営者)は、現場(従業員)の声を聞き、それに基づいた「方向性のある戦略立案」と、「押す・引くの適切な判断」が必須であることを考えさせられる。

本書は、戦争そのものの是非を問う書ではなく、戦争の教訓を現代に活かそうとする書であり、決して次の戦争準備の書ではない。また、その他多くの戦争関連書にはない「組織論」の観点から戦争行動を分析した書であり、経営にも大いに繋がる書である。

●おすすめ度→★★★☆☆

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●初めて本書にふれたとき、僕にとってはとても「難解」であった。そういう意味では、「指揮官と現場が乖離した組織」をイメージするために、日露戦争を題材にした司馬遼太郎氏の『坂の上の雲』や、官僚と現場の組織を題材にした織田裕二氏主演の『踊る大捜査線』シリーズを参考にするとイメージが深まってくると思います。

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『ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する』

《あしたのための読書:会社運営編》

★『ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する』 島田紳助氏著

●先日、妻が「紳助さんの新刊が結構評判良いみたいよ」と言っていた。そのことが、潜在意識にあったのか、今日何気なく訪れた本屋さんの平積みでこの本が目に入り、早速購入して読み終えた。

島田紳助さん。ご存知、国民的タレントのひとりである。1956年生まれ。もう50歳を越えているのに、エネルギー全快のオッサンである。吉本興業に所属し、「紳助竜介」として、ツービート、B&Bらと共に、漫才ブームの先頭を走った。その後は、お笑いに留まることなく、バラエティや報道といった番組にも挑戦し、現在なお第一線を走るエンターティナーである。

そんな紳助さんは、25歳からビジネスを始めるようになった。奥さんには、「損したらやめる」との約束でやっているそうで、株や不動産では大損を体験しやめたようだが、ビジネスではいくつもが継続中とのことである。と言うことは、ビジネスは成功し続けているということである。

当初から紳助さんは、名義貸しをしてのお金儲けには興味がなく、自身で「商い」をしてみたかったようである。人に何かを売るということは、「人の心を動かすこと」と著者は言う。元来、お笑いで培われた「アイデア」体質、「人に喜んでもらいたい」という気持ちから「商い」をやってみたかったようだ。

紳助さんは、あくまでもタレント業が本業で、商売はセカンド・ビジネスと考えている。だから、ビジネスは「ゲーム」であると言い切る。「ゲームだからどうでもいいや」という考えではなく、「ゲームだからこそ損をしてはいけない。かといって、大儲けをして大金を掴むのではなく、お客さんや従業員といった、関わる人に喜んでもらいたい」と考えている。ここに、商売の本質・意義があると思う。ついつい、本業として商売をしているのに、忘れてしまっている創業精神である。

紳助竜介の機関銃のような漫才。その漫才も全て、自分で考えた脚本通りで、アドリブはほとんどなかったようだ。そんな紳助さんが商売をするときにも、アイデアがかたまってきたら、実地調査を綿密にするそうである。そして、「この場所で、この商売を」と考えたら、損益を計算するのだ。たくさんお客さんが入っても、損益割れでは商売にならない。ここでも本業の方が忘れがちな姿勢がある。

そしてなにより、「非常識」に考えることが秘訣だと言う。「常識の反対は非常識ではなく、常識=普通、普通=あまり儲かっていない」と考えており、発想を更にして、逆転の発想で挑んでこそ儲かる商売に発展すると考えている。本書の中でも、自身で挑んだ商売に対して、どのように発想して行ったかが随所に記載されており、とても参考になる。

副題に「絶対に失敗しないビジネス経営哲学」とあるように、島田紳助さんの経営哲学、人間哲学が描かれた書である。

●人にもよるが、常連として通っているお鮨屋さんで、いつも1万円程度のお会計だったのに、そのうち「今日はいいネタが入っていますよ」と言われて、いわゆる時価の高額な食材を勧めまくられて、お会計が、1万5千円、2万円となっていくお店には、著者はそれ以降行かないそうだ。お金の絶対額ではなく、お会計をしたときのお金と内容を天秤にかけるのだそうだ。また、「この人は高額会計でも何も言わないだろう」という魂胆がいやなようである。このことは我々も体感していることである。

一方、お腹を空かせた学生に対し、食堂のオバチャンから「今日は大盛りにしといたよ」と言われたらどうだろう?・・・「得した!」と思うのはもちろんのこと、オバチャンの「気持ち」をありがたいと思うであろう。

紳助さんの<チームはせ川>では、そんなお客様の心、働く者の心を第一に考えている。そうでなければ、サイド・ビジネスとして商売をする意味がない、と筆者は言う。

●漫才ブームに乗って有名になった紳助さん。そのブームに乗ってというのが癪で、商売によって「自分の考えがうまくいく」ことを立証したいのだそうだ。そして、今一度、苦節から成功への「感動」を味わいたいのだそうだ。

しかしながら、その感動も、今となっては味わえないと考え、今では、「自分の信じる人」に対して、オーナーとして、投資者として協力をし、その人をスタートラインに立たせるのが自分の役目と言う。

本書の最後に、<チームはせ川>の言葉が記載されている。

「どこへ行きたいかわからぬ者に、進む道などわかるはずがない」

「うまく行かない事を環境のせいにする人間は、絶対に幸せになれない」

「70%の自信が日々勇気をくれ、30%の不安が努力を与えてくれる」

「世の中にスーパーマンはいない。ただ、人よりほんの少し、ほんの少し勝てば世の中の勝者となる」

「一年努力しても、一瞬の手抜きでチャラになる。人生は耐久レース」

「世の中の人全てを愛する必要はない。自分を愛してくれる人、信頼してくれる人を愛せばいい」

「夢中で努力している瞬間、ずい分、時間がたてば、気づく。あこ頃、字のごとく夢の中だったと」

「他人の為、家族の為に働くのではない。自分が幸せになる為に、努力し働くのです」

「人生プラスマイナスゼロである。しかしマイナスをプラスに変えた人が勝者となる。失敗してしゃがんだ後はジャンプです」

「夢を叶える最大の方法は、強く強く念じ、強く強くイメージする事。そして酒を飲み語る事」

チームはせ川で夢を持ち、努力し、一緒に感動し、共に笑う。そんな仲間でいましょう。

●おすすめ度→★★★★☆

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『Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー)』

《あしたのための読書:会社運営編》

★『Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー)』 ダイヤモンド社

●「おぼろげに、会社のことを考えているけれど」とか、より各論・実践的な「HOW・TO本」を数冊かじってみたけれど・・・何かものたりないなぁ、と感じている二代目社長のあなた。

HOW・TO本は、マニュアルの如く、何か「具体的に」やりたいことがあるときには役立ちますが、いくらHOW・TO本を数多く読んでも到達できない領域があります。あなたの会社の部署=会社機能を思い浮かべてみて下さい。それらの長が全員集まれば素晴らしい実践結果を出すことと思いますが、経営は可能ですか?経営は、「大局的」に捉える必要があり、学校の科目のように、個別の成果だけでは経営結果を出せません。

優秀な長を司り、その「かじ取り役」となるのが社長であるあなたの役目です。点を線として繋げていかねばなりません。従って、経営の大局を把握し、的確な指示を出すために体系立てて経営を学ぶ必要があります。

しかしながら、二代目社長のあなたには、なかなか専門書を読む、まとまった「時間」がないと察します。そんなあなたにおすすめなのが、ダイヤモンド社が月イチで発刊している(臨時に特集号を発刊することもままあります)『Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー)』です。毎回、テーマを絞り、その専門家が最新の理論を寄稿している本格的経営雑誌です。

●経営学の世界において、世界最高峰・世界のリーダーは、米国のハーバード大学です。キラ星のごとく学界をリードする教授を抱え、その卒業生には大統領をはじめ世界のリーダーになった方を多数輩出しています。米国の経営学はMBAと呼ばれる、日本で言えば大学院にあたる機関を最高位としています。そのMBAは、日本の大学と違い、「考える」ことを訓練する場です。しかも、これまた日本の大学と違い、とてつもなく勉強します。入学以降、どんどんふるい落とされて、全員が卒業できないシステムになっています。

余談ですが、僕の人生の目標のひとつに、「ハーバードのMBAで学びたい」ということがあります。今はありませんが、実家の近くに、ハーバードという同名の喫茶店があって、高校時代に、よくその店で学友と勉強?したことを思い出します。

そんなMBAの教授をはじめ、現在の経営学の最先端の粋を集めたのが本雑誌です。ポーターコトラードラッカー・・・。彼らの専門書は、1冊数千円もし、しかも読むのに数時間ではききません。本雑誌も雑誌としてはかなり高価ではありますが、そんな世界最高峰の学者・企業リーダーが寄稿する雑誌であり、経営者にとって「時間」と「お金」を節約し要約をつかむことができます

●学者の本は、米国の学者の本にかぎります。

先に述べたように、米国の大学は「考える」習性を身に付ける場であり、教授そのものも積極的に民間企業と関わっているので、より「実践」から生まれる理論体系を構築させています。それ故、その体系は「基本」であり、基本を理解したうえでこそHOW・TO本を読む効果が生まれます。なにごとも基本を身に付けることは一日ではいがず、基本を身に付けたうえでこそ<オリジナリティ>が発揮できます

●本書の日本語版として発刊しているダイヤモンド社が、本書創刊30周年を記念してその集大成・永久保存版として記念発刊したのが、2006年11月号・『偉大なる経営論』と、2007年2月号・『戦略論の原点』です。

この2冊で、経営に対する考え・手法の変遷がうかがえ、現代の理論にどう過去の考えが根付いているのかが、おぼろげながら見えてきます。

毎日30分でいいですから、この2冊によって、経営理論をしっかり学び、大局感を持ち、そのうえで具体的手法を模索していくことをおすすめします。

●おすすめ度→★★★★☆

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『コピー用紙の裏は使うな!』

《あしたのための読書:会社運営編》

★『コピー用紙の裏は使うな!』 村井哲之氏著

「経費削減」のために、コピー用紙の裏を使用する会社も多いと思います。むしろ、環境保全と併せて、その傾向が強くなってきているんではないでしょうか?

でも、始まりは「経費削減」のためにやるんですよね?

ということは、経費削減になったか否か、その結果を検証していますか?

僕の偏見では、コピー用紙の裏を使用している会社は、経費削減をした結果が出ていないと思っています。もっと言及すれば、経費削減できたか否かを結果検証していない会社がほとんどだと思います。

もし、あなたの会社で、コピー用紙の裏側を使っているならば、一度管理部門にどれだけけ経費削減できているか聞いてみて下さい。・・・回答は「???」じゃないですか?

●僕が二代目社長のときには、コピー用紙の裏をほとんど使っていませんでした。それは、経費削減のために実施する方策として、「事前に」検証した結果、効果が期待できないという計算が出たからです。つまり、「目的」が達せられないと判断したからです。

コピー用紙は、1枚何十銭の単価です。何十銭の単価のために、本業に対する集中力が失敗したコピー用紙を「溜める」ことに向けられてしまうからです。また、そうすることで、不用意なコピーの失敗が増えてしまうと感じたからです。

当初、「実験」(仮説を実験することによって、経験という財産になります)したときにも、予想通り、会社の「機密事項」までその場所に積み上げられていました。・・・皆さんの会社でも、一度、失敗コピーを覗いてみるといいです。単価表・顧客情報・会計資料などの機密事項が多くあります。普通ならば、鍵付きの書棚に保管されている内容が、無造作に置かれています。

そしてなによりも、表裏が分からなくなり、更には、外部に出回っては、何十銭どころではありません。

だから、僕はあまり実施していませんでした。あまりと言うのは、「経費削減策」としては効果が薄く、その「リスク」の大きさを「実証」によって得たことを社内で説明し、「環境保護・物を大切にする」ための再利用を発表しました。ですから、失敗コピーはほとんどシュレッダーに掛け、万が一外部に出ても支障のない物だけバツ印を付けて、A4のみ利用としました。更に、利用は、メモ用紙や非保管書類とし、外部流失リスクを徹底的に避けました。

もうひとつ、「失敗クセ」を付けないためと、「お客様に良質なものを提供するクセ」を付ける訓練でもあったからです。あなたの会社が、もし、製造会社ならば、失敗しても再利用するからいいや、なんて考えもしないでしょう?

●コピー用紙に関しての僕の「経費削減策」は次の通りでした。

「根元から断つ」ということと、「各人のバラツキある力量に左右されない方策」であることを基本として検討していきました。

コピー代が減ればいいので、「コピー代そのもの」の低減を納入先と交渉しました。また、パソコンプリンター代と比較し、そのときの対象はプリンター出力の方が安かったので、業務用はコピー出力ではなく、プリンター出力としました。更に、プリンターの磨耗を考慮して、カラーはプリンター、しかも専用機としました。

次に、紙代を低減するために、みんなで全国から紙を取り寄せてみました。価格+紙質を加味して検討しました。

そして、もうひとつ忘れてはいけないのが、「デッドストック」の削減です。方々に不用意に発注された予備紙を1カ所に集めて、A4中心の書類体系にしていきました。予備紙もお金で支払っているんですから金利が掛かっているんですよ。その分のキャッシュを本業に活かすのが経営です。また、紙サイズを統一すると、ファイルや書棚などのデッドも減少し、更には「見栄え良く」なっていきます。

最後に、もっとも大事なこと・・・「紙」書類を減らすことです。紙の回覧物の内、PCデータでよいものはデータ保存にし、従来、全員に配布していた書類で回覧・掲示可能なものを検討し、会議等もPCによるペーパレス化を進めていきました。

僕のプロフィールにもあるように、毎年、経費を10%以上削減し続けることに成功しました。経費削減は、一時のものではなく、恒久的に取り組む姿勢が重要です。

以上のように、二代目社長のあなたの「考え・目的」を社内に浸透させ、経費削減の「しくみ」をつくることが重要であり、更には、その目標が達成されたときには、社員にどう「還元」されるかが決め手です。「無駄なコストを削減し、その結果得た利益をみなさんの給料に反映した方がいいでしょう?だから、みんなで考え、みんなで取り組みましょうよ」

●本書の著者・村井氏は、コスト削減のコンサルタントであります。それ故、数々のコスト削減の具体例の実証結果を持っており、そのための方策や、うまくいった会社の特徴を知っています。

「コピーの裏側を使え!」

と号令を掛けている社長の会社では、コピーの裏側を使うという手段が目的化しており、本来の経費削減という目的がない状況がほとんどだと推測しています。

また、本書でも記載されていますが、コストダウンには、首切りをはじめ、間違った解釈のリストラが連想されますが、日本が世界に誇る「トヨタ」は常にコストダウンを意識しています。そのコストダウンは、単なる納入会社への圧力による単価の値下げではなく、仕様の改良等のアイディアの結果として、みんなで「考え」みんなが「潤う」方法を模索しています。

そういう本来のコストダウンに対する姿勢を培った組織だからこそ、体力のある企業へと成長し、市場から支持される企業に変貌していったのであると思います。

コストダウンは一時のものではなく、強靭な組織をつくるための礎です。そして、そのことは一社員・納入会社も含めた、みんなのためになる方策であり、みんなの知恵が結集するしくみでなければ成功しません。

●おすすめ度→★★★★☆

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●話が長くなったので今日は触れませんでしたが、「電気」を間引きしたり、消灯することは最悪です。その僅かなコストダウンのために、社員が暗くなり、会社が暗くなります。薄暗い部屋で勉強している優等生って見ないでしょう?そして何よりも、あなたが、「お客さん」として入店したときに、薄暗い会社から購入意欲が沸きますか?電気は、お客様目線でみないと商売になりませんよ!・・・この件はまた今度。

●昨日記載の通り、ずっと越えそうで越えれなかった日計訪問者数50名(重複者除く)を一昨日越えました。不思議なもので、一旦そうなると、昨日は一気に70名近い方の訪問がありました。ありがとうございます。・・・読者のみなさんには見えない数字で、論理的な意味もありませんので、きっと僕の心の壁であったんだと思います(それも非論理的か?)。

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『採用の超プロが教えるできる人できない人』

《あしたのための読書:会社運営編》

★『採用の超プロが教えるできる人できない人』 安田佳生氏著

●会社を運営しているのは<人>である。販売はもちろんのこと、その販売する商品を開発したり、販売する仕組みをつくっているのは人である。いくらインターネットの世の中であるとは言え、人が居なくては会社は成り立たない。従って、会社は「人で決まる」

「できる人」を育てるのは非常に難しい。特に、中小企業においては、「仕事ができない人が多くてなあ・・・」と嘆く社長が多い。しかし、それは社長から見た目であり、そもそも人を育てるしくみや投資がない。また「ウチにはいい人材が応募してこないからなあ」とも嘆く。多くの社長は、いい人材=高学歴との先入観を持っている。しかし、将来できる人に成る人材は、その<人間力>を持っている人である。そういう「育つ素養のある人」を採用していないのである。だから、根本は<採用>にある。

仕事のできる人。それは、「変わろうとする人」であると著者は説く。小さなアオムシが大きなアオムシになることは、成長とは言えない。それは能力に大差がなく、アオムシがさなぎに変化し、蝶になって空を飛べるようになって、はじめて「成長」したと言えると説く。

そして、成長・進化には「勇気」が必要である。それは、一旦蝶に進化したさなぎは、アオムシには戻れないからであるとも説く。

会社の命運は、人によって決まる。ならば、その「素養」を持った人を見抜き、採用しなければならない。ダイヤの原石は、ダイヤだからこそ磨けばダイヤになるのである。

その素養とは、「変化」しようとする願望と、変化する「勇気」を持ち合わせた人である。

変化の激しい現在において、ついこの間まで「必要な人材」と言われていた人が、「不必要な人材」に変わってしまうことがある。これは、その人が不必要な人材に変わってしまったのではなく、世の中・会社が変わってしまったからの価値基準の変化であり、その外的変化に対応できなかった人たちである。

それは、会社入社後の仕組みではなく、「採用時における素養である」と著者は考える。

●それでは、「どうやってできる人を採用するのか」を説いたのが本書である。

先ずは、「できる人」「できない人」にまつわるカン違いを列挙している。多くの社長が採用にお金と時間をケチって、そのうえ間違った社員教育をしている。そのため、「仕事をつくり出せる人」がいない。このことが、社長の悩みの根幹であると気付いていない。

次に、著者の考える「できる人の基準」を述べている。採用会社として、1,000人の社長と、20,000人の学生と接してきた著者の基準を述べている。できる人は、「目標」を持ち、強い「責任感」「リーダーシップ」によって、その目標をクリアしていく。そのベースは「素直」なことである。素直と従順とは違う。従順なだけの人は、目標設定や指導ができないばかりでなく、型にはまったことしかできない。そのタイプは、やがてできない人になっていくと説く。

そして、企業は、もっともっと「採用」に力を入れるべきだと説く。そのためには、「お金」と「時間」を使い、更には、企業そのものが多くの募集者が集うように変化していかねばならないと説く。

●会社だけではなく、働く社員自身の人生にとっても「できる人」を目指すべきであり、それはすなわち、お互いの人生を豊かにしていくことに繋がると締めている。

採用の現場に多く立会い、労使双方を見てきた著者ならではの、具体的シーンの記述が多くあり、考え方がより鮮明に理解できる。いくら大手の人事担当者であっても、それだけの募集者と接することはできない。ましてや、転職でもしない限り、会社を見るという視点は養われない。本書は、その両面において<採用>を考え、「できる人」とはどう言うタイプなのか。どうやって「採用」して行くのか。そして、会社・社員共々、どうやって「成長」して行くのかが具体的な実践の場において理解し易い書である。

●おすすめ度→★★★★☆

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『コトラーのマーケティング・コンセプト』

《あしたのための読書:会社運営編》

★『コトラーのマーケティング・コンセプト』 フィリップ・コトラー氏著

●世界のマーケティング界をリードするフィリップ・コトラー氏。

大学で教鞭をとる一方、GE、IBM、バンク・オブ・アメリカ、ミシュランといった世界企業のコンサルタントも数多く務めている。

経営を学ぶとき、いかに「売れる仕組み」をつくるかが重要なポイントであり、その分野がマーケティングである。

マーケティングを学ぶ者にとって、コトラー氏はカリスマ的存在で、一度はその名を聞いて、氏の著書に挑戦した方も多いと思う。しかしながら、世界的権威と呼ばれる他の分野の方よりはできるだけ分かりやすく書かれた書が多いものの、それでも難解である。しかもブ厚い。

そんなあなたに、本書をお勧めする。

本書は、コトラー氏が、マーケティングを学ぶ者に、80のコンセプトをリストアップし、それらの意味を教授し、どうビジネスと関連させるかを提示した書である。

学界をリードする書籍には難解なものが多い。その理由のひとつに、「言葉」が難解であることが挙げられる。学界者の多くは、言葉を文字として捉えているふしがあるが、言葉には意味があり、その意味ひとつひとつが経営者にとっては重要なのである。

本書では、コトラー氏がひとつひとつの言葉の意味をどう考えているかが分かる。また、選択したコンセプトの中には、「ミッション」や「熱意」などのように、経営者マインドに触れている項目も多い。それはすなわち、氏がマーケティングに「魂」を入れてこそ経営であると言っているかの如くである。

毎日少しずつ、初めから、あるいは、気になった項目から読み進めると良い。二代目社長のあなたの日々の実践で感じたことが本書を読むことによって脳裏で理解でき、そして再び実践でトライする。そんな書である。

●おすすめ度→★★★★☆

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・本書を読んだら、次は『コトラーのマーケティング思考法』に挑戦してみて下さい。

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『「ランチェスター経営」がわかる本』

《あしたのための読書:会社運営編》

★『「ランチェスター経営」がわかる本』 竹田陽一氏著

●「ランチェスター経営といえば、竹田陽一氏」「竹田陽一氏といえばランチェスター経営」

大手調査会社のトップ・セールスとして、多くの社長と会い、繁栄する企業・衰退する企業を見てきた竹田陽一氏。その氏が30台のときに出会ったのが「ランチェスター法則」。

書店に並ぶ書籍や大手コンサルタントの手法は、大手企業を対象とし、大手企業だからこそ成し得る戦略であり、中小企業には「中小企業に合った戦略」でなければならないと主張する竹田氏。

ランチェスター法則は、<弱者の法則>と呼ばれ、大手企業に比べて、小資本であり圧倒的に弱者である中小企業が、どうやって同じ市場で戦って行けばよいのかを述べている。

大手調査会社のトップ・セールスとして培った竹田氏の体験と、竹田氏のライフ・ワークとも言えるランチェスター法則がドッキングした「中小企業向け商売の鉄則集」が本書である。

●本書では、一環して、<お客様づくり><地域ナンバーワン企業づくり>を主張している。

20070703215834

これは、以前金沢に竹田陽一氏が訪れたときに、本書に記念書をしたためていただいたものです。ここにも「お客様づくり」が記載されている。

 

大手上場企業の例(事実)を見ても、業界ナンバーワンと2番手には、「利益」に大きな差がある。売上以上に、利益の差がある。更に、3番手でトントン。10番手以下はおそらく赤字である。

とすれば、小資本の中小企業は、あれもこれも手を広げて、「まあまあ」の商売を続けていたのでは、赤字の連続である。「地域」にも同様なことが言える。

とすれば、中小企業は、「地域」を絞り、「業種・商品」を絞れば<ナンバーワン>を目指すことが可能であり、そういう経営を実践する必要がある。竹田氏が常日頃口にしている<接近戦>である。

そして、会社運営は、<お客様づくり>にエネルギーを注げと説く。

商品づくりよりもお客様づくりに力を注げと説く。

考えてみれば、最もなことで、お客様がいなければ商品も売りようがない。この至極当たり前の商売の鉄則を忘れてしまっている経営者が多い。ましてや、利益を生まない会社内部の運営は、会社活動の10%に抑えよと主張する。

●本書は、そんな竹田氏、ランチェスター法則のエキスを片面簡素な文章・片面図説の構成によって、分かりやすく記載している。

分かりやすいが故に、流し読みをしてしまいがちだが、逆に1日で全てを読みきらずに、少し読んだら「考え」、更に少し読んだらまた「考え」、と考えながら読んで欲しい。

また、本書はエキスの抽出版であるので、その本筋を深くよむためにも竹田氏を世に知らしめることとなったヒット作『小さな会社★儲けのルール』(おすすめ度→★★★★☆)も読まれることをおすすめする。

小さな会社・儲けのルール―ランチェスター経営7つの成功戦略

 

本書に書かれていることは、商売の鉄則であり、中小企業ばかりではなく、大企業においても低順位商品や新規商品の戦略としても適合するシンプルかつ奥の深い良書である。

●おすすめ度→★★★★☆

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『知識創造企業』

《あしたのための読書:会社運営編》

★『知識創造企業』 野中郁次郎氏・竹内弘高氏共著

●現代まで工業立国として発展してきた島国・日本も、企業が多国籍化した時代背景により、著作権・特許権等々の「知的財産」を意識しなければならない時代へと突入した。

現在の中国を始めとするアジア諸国においては、いわゆる「海賊版」が横行しているが、資源の無い日本が世界経済の先頭を行くには、地球規模において、知的財産を無視する訳にはいかない。

本書は、知的財産そのものを論ずる書ではない。企業の進むべき進化スタイルとしての<知識創造>を企業戦略としての根幹に位置づけている。これからの時代、知識を創造できない企業は生き残れないとの基本概念のもと、いかにして「組織として」知識を創造し、蓄え、継承するかを説いた書である。

発刊は1996年であるが、今まさに日本企業の課題とするところで、その先見性においてもすばらしい書である。

●「暗黙知→暗黙知への共同化→暗黙知から形式知への表出化→形式知から形式知への連結化→形式知から暗黙知への内面化」

そのプロセス循環を説いている。

団塊世代の大量退職を迎える日本企業において、これまで一個人が、同一業務を何年も何十年も行ってきた良い面はあるものの、退職時において弊害となるのは、「その人にしか分からない」ということである。二代目社長のあなたの会社においても、創業期からの社員と最近の社員との交代において、最も悩ましいところではないかと思われる。

その一個人の頭の中にある「暗黙知」を、第一段階として、グループでの共有化を挙げている。具体的な業務スタイルに当てはめれば、ひとりひとりにおいて個別で行っている業務を、グループで行い共有化するということになる。

共有化できたといっても、まだ頭の中である。また、個々人によって優劣ができる。この集団の頭の中を表面化させよ。としている。さしずめ、機械化・電算化といった手法に当たる。

そこで終わっていては、企業として「進歩」がない。それ故、更に蓄積される暗黙知を同様のプロセスによって繰り返しスパイラルさせる必要性を説いている。

●私見ではあるが、従来の終身雇用を捨てた日本企業は、今後、米国のように、キャリアアップによって転職が当たり前の時代に突入する。本書が出版された時代背景と様変わりしてきたのは、ベテラン社員・熟練工が、同一企業内において不足する・育成しづらくなるということである。また、成果報酬が徹底されれば、個人で終結する知識で終わってしまう。

一時隆盛を極める企業がっても、永く繁栄しないのは、この個人知識が会社財産になっていないからである。

二代目社長のあなたは、本書の提言に加え、この現在の時代背景をも加味して、会社財産としての知識を継続して創造できる組織づくりを目指さなければならない。

これからの日本企業の生きる道、すなわち<知識創造企業>

本書には、たくさんのヒントが明示されている。

●おすすめ度→★★★★☆

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●気軽に相談して下さいね。ひとりで考えるより、きっといい解決策が生まれますよ。

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『あなたの会社が90日で儲かる!』

《あしたのための読書:会社運営編》

★『あなたの会社が90日で儲かる!』 神田昌典氏著

●昨日、神田昌典氏の『非常識な成功法則』を紹介したら、僕の相談者のひとりであるO先輩社長から、『あなたの会社が90日で儲かる!』についてのコメントをいただいたので、Oさんに敬意を表し、昨日に引き続き神田昌典氏の著書をレビューします。

本書は、神田氏を世に送り出した、マーケティングに関する傑作です。著者の出版順でいえば、こちらの方が前出になります。

<マーケティング>という言葉に、「難しい学術書」と連想される方も多いと思います。

マーケティングを主導しているのは、米国学会であり、加えて、歴史の浅い分野なので、学者の著書が多いため難しいイメージがあります。

ところが、二代目社長のあなたも日々やっていることです。その日々やっていることが、適切なのか、そして、永続するための仕組みになっているのかの違いだけです。・・・一見ちょっとした違いと思ってしまうこと故、ほとんどの社長は軽視してしまいます。そして、結果に雲泥の差が出ます。

●昔から商売の原点は「物を売る」ということです。

それはすなわち、マーケティングです。

ところが、誰でも物が売れるので、体系立てて「売れる仕組み」を考えることをしません。

マーケティングを学ぶ必要は、その仕組みを構築することにあります。・・・スーパー営業が抜けたら売れなくなったとか、商品が廃れて次が無い、というのは仕組みが構築されていなかったからです。

そして、多くの書は、全体の総論を抽象的に、かつ、「売り手側」の論理によって構築しています。

ところが、本書は、副題に<感情マーケテキングでお客をつかむ>とあるように、「お客様はなぜ買うのか?」というお客側の立場に立って分析しています。そして、「お客様の心理」に焦点をあてています。

●まず、「なぜ悪徳業者が儲かり、正直者は失敗するのか?」を分析しています。

訳の分からない壺。買います?買いませんよね。でも高額で売れるんです。

ところが、あなたの優良な商品は売れないんですよね?そして安売り。

訳の分からない壺は、更に高くするともっと売れることもあるのに、良い商品は安売りするはめになる。・・・ここに、お客様心理と売り手側の営業力に対するヒントを見出しています。

●そして、どうやったら売れるようになるのかを研究しています。

具体的な図や、具体的な広告の比較等、「身近な例」を図説多用し、同一事例による「比較」をしているので、明日からもあなたの会社で即実行できる内容となっています。

ここに、本書が爆発的にヒットした理由があります。

●そして最後に、あなたの会社を90日で高収益企業に変身させるステップを書いています。

●本書を読むことによって、これまで御用聞きであった営業の実力強化のヒントを得ることができます。そして、ただ撒き散らすだけだったチラシの改良ポイントが見えてきます。

他に紹介する学術書や実践書と併読して、時代変化に対応できる会社、ひとりのスーパー営業に頼らない売れる仕組みを構築して下さい。

●おすすめ度→★★★★★

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●本書は、1日でさっと読めるので、是非トライしてみて下さい。でも1日で読めるからこそ何回も読み返して下さい。そして、他社の広告やHPを見て、お客さんになったつもりでウインドショッピングをしてみて下さい。売れているお店のどこが違うのかが見えてきます。ちょとした違いです。そのちょっとした違いが、二代目社長のあなたの会社の優劣を決します!

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『エスキモーに氷を売る』

《あしたのための読書:会社運営編》

★『エスキモーに氷を売る』 ジョン・スポールストラ氏著

●「エスキモーに氷を売る」。必要の無い人に、いかに商品を販売するかを説いた書である。(押し売りではありませんよ。)

著者は、本書におけるマーケティングの過程を<ジャンプ・スタート・マーケティング>と名付けている。

敗戦続きのプロ・バスケットボールチームの経営を任された著者が、いかにして人気のないチケットを多くの方に購入してもらえるようになったかを描いている。

また、昨今の日本のリストラのように、経営資源を縮小させ、残った資源で収益を拡大させるという手法が主眼でもない。むしろ、著者は、そのような手法は短期的には収益をあげるかもしれないが、そのような手法が主力の企業には成長は無いと説いている。それは、事業を再生させたことにならないからである。

それ故、社員と共に考え・苦楽を共にし、いかに「売れる仕組み」をつくりあげたかが、段階を追って記載されている。

この本は、著者の成功本ではない。従って、多くの成功本にはない、「商品」をクローズアップさせた書である。まさに、エスキモーに対して、いかに氷を魅力あるものにしたかが描かれている。

●著者は次の2点を強調している。

①自分で可能だと考えているより、高くジャンプする。

②傷あとの組織を、傷あとのないきれいな皮膚にする。

●就任後の著者は、まずはリサーチをした。それは、決して奇抜ではないが、二代目社長のあなたも就任後、「やっていそうで、やっていなかったこと」を実施した。著者の会社でも、就任後まず驚いたのが商品・顧客データのなさであった。

そこで彼は、どのチームとのチケットが売れているのか。どんな顧客が観戦しにきているのか(性別・地域・年齢・収入等)。顧客は法人か個人か、はたまた家族か。リピートはどのくらい。・・・様々なデータを収集し、そして自らも法人顧客を中心に訪問した。

「商品のことは顧客に聞け!」と言う格言の通り、社長が顧客を訪問するのは、販売獲得はもちろんのこと、商品・自社の対応等の顧客の満足度を探るのが目的である。・・・結構勘違いし、売り込み一辺倒の社長をよく見かける。

次に、人気チームとのチケットを販売し、更に、そのチケットにこれまで人気のなかったカードもパッケージ化し、顧客増と共に、これまで試合によって差があった観客数をカードによってばらつきのない安定した入場者数にしていった。

そして、様々なファンサービスで、リピーターを増やしていった。

同時進行して、組織の強化も行った。

そして遂に、人気のない赤字チームを黒字の企業へと変身させるに至った。

●「エスキモーに氷なんて売れる訳ないよ。」

それで終わらずに、いかに魅力的な商品にし、いかにリピーターをつくっていったかが、「商品」を中心に学べる書である。

現在の日本は、もの余り時代と呼ばれ、ヒット商品による新興企業が一時的にもてはやされることはあっても、永く企業を繁栄させるには「飽和状態」であると言えます。その飽和時代にあっても、社長であるあなたはいかに打開して行くのかが見えてくる書であると思います。

●おすすめ度→★★★★☆

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『コトラーのマーケティング入門』

《あしたのための読書:会社運営編》

★『コトラーのマーケティング入門』 フィリップ・コトラー氏著

<マーケティング>とは、ひとことで言うならば、「売れる仕組み作り」である。

消費者としての立場で、リサーチを受けることがあると思いますが、そのイメージから、マーケティングを市場調査と勘違いされる方がいるが、「消費者は何を求めているのか(ニーズ)」、「どんな商品ならば売れるのか」、「適正価格をいくらに設定すればよいのか」、「販売経路・手段はどうすればよいのか(流通)」、「プロモーションはどうするか」といった一連の流れを指すのであります。

商売を考えるとき、特に「商品」のみを考えることが多いと思います。しかしながら、上記のごとく、商品」は「売れる仕組み」の一連の流れがないとお客様の購入につながりません。つまり、上記のどれが欠けていても「売れない」ことに気がつきます。

アメリカ・マーケティング界のカリスマであるフィリップ・コトラー氏によれば、「マーケティングとは、個人や集団が、製品および価値の創造と交換を通じて、そのニーズや欲求を満たす社会的・管理的プロセス」である。

決して、販売のテクニックでもリサーチでもありません。

●マーケティングを学ぶとき、誰を差し置いても上記のフィリップ・コトラー氏を学ぶことになります。氏の視点は、アメリカ・マーケィング界を先導しており、それ故、氏を学ぶことは次の時代のマーケィングを学ぶことになるからです。つまり、次に来るビジネスモデルを探ることができるようになります。

●現代の急速・急変する時代においては、そのときどきのマーケティングが長続きしないことが想定されます。それ故、氏もいくつかの出版元、改訂、読者レベルでの出版を行っています。

今回紹介する書は、氏の入門者レベル向けの書です。ただし、ボリュームはあります。氏の著を読むとき、「決して背伸びしない」で、自分の理解しやすい書から入ると良いです。また、簡素版よりも本書のような分量のあるものから入るのが良いと思います。それは、行間から理解が深まるからです。また、本書は写真等がこの手の書にしては豊富で、出版時の時代背景を理解する参考にもなります。

この分野は、いきなり理解100%を目指さないで下さい。迷宮入りする可能性がある分野だからです。そのために、今回紹介した書のように、自分のレベルに合った書から入り、おおまかに理解し、各論を簡素化し理解したい場合は、『マーケティング・コンセプト』『マーケティング思考法』、あるいはもう一段階突っ込みたい場合は、『マーケティング原理』をお勧めします。

特に、『マーケティング原理』においては、氏の渾身の書というにふさわしい大書であり、この書を読み込むために今回の書等を知っておくといっても過言ではありません。

とにかく、氏の出版物は多数あり、多版されています。法律書をお勧めしたときは、実務家である二代目社長のあなたには最新書をお勧めしましたが、経営には正解ましてや普遍な手法がありません。それ故学ばない人を多数見かけますが、その逆です。正解がないからこそ、古典・最新本をバランスよく読み、その過程で<本質>を読んで下さい。手法ばかり詰め込んでも、一貫性は生まれてきません。

●おすすめ度→★★★★★

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●<人気ブログランキング>の「北陸」カテゴリーで、過去最高位の8位に躍進しました。みなさんの応援を感じています。ありがとうございます。

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『新訂・競争の戦略』

《あしたのための読書:会社運営編》

★『新訂・競争の戦略』 M.E.ポーター氏著

●昨日、危うく路線がずれそうになったので、今日は、僕の最もすすめるお気に入りの一冊を紹介します。

●志を持ったあなたが、実行にあたってまず練らなければならないのは、<戦略>です。

「どういう方向に進むのか!」という方向性が戦略です。一方、「どうやって実施するのか」は戦術です。あなたが、志の実現に向けて、リーダーとして企業を引っ張っていく方向性が戦略です。戦略なき戦術は、航海にでたとき、行き先も決まらないまま右往左往し、遭難するに同じです。・・・日々の業務のほとんどは、定型・定量業務であり戦術です。

●このブログを<プレジデントマップ>と銘打っているのも、二代目社長のあなたの道しるべとなるべく、あなたの先導役であろうとしています。

●著者のポーター氏は、ハーバード大学のMBAで教壇をとり、そこでの実地調査から氏の理論を擁し、経営学に「戦略」というポジションを確立させました。この書は、経営者にとって、戦略のバイブルとなる書です。

●この書での主要論は次の通りです。

①対立する企業間(まだ見ぬ新規参入も含めて)において、競争とはいかなるものか。

②その市場の中で、優劣を決する事項は何か。

③あなたの企業が、競争を勝ち抜き、更には、それを維持していくにはいかにすればよいか。

●この書の読み方のコツを伝授します。

◇この書は、一日二日で読める書ではありません。また、日々の実践の中で、ゆっくりと現実と対比させあなたの戦略を成熟させる時間を持って下さい。

◇大項目、中項目、小項目が多用されているので、まずは、その大中小の項目だけでもいいから順を追って読んでみる。本書は、戦略を考えるうえでの手順書でもあるので、くれぐれも順を追って読む。

◇ところどころに、「図」が挿入されている。この図こそが、ポーター氏の文章を立体化させ、理解の一助となる。これらの図を身の回りにペタペタと張り巡らせるだけで、あなたの戦略は脳の奥底で育っていくはずである。

●さあ!あなたの志の実現に向けて、<進むべき道=戦略>を考えよう!

●おまけ:この書は、自分を「その気」にさせる。そして、淡いグリーンの表紙。表紙の図は、ポーター氏の頭脳が凝縮されているかのようだ・・・。頭の中でこんな風に考えているんだぁ。・・・この書は、オブジェにも最適である。

●おすすめ度→★★★★★

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●昨日の記事にコメントをいただいたM子さんが、子供のクラブのお母さんでなかった場合・・・僕は抹殺されます。

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